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フットケア
巻き爪、魚の目等のトラブルや、むくみ、こむら返り、倦怠感についても対処可能です。
巻き爪
巻き爪とは
爪の片方または両端部分が皮膚に食い込むように伸びていく状態で、爪が食い込むことにより炎症と疼痛を繰り返します。爪切りは非常に重要で、食い込んでいる爪を斜めにカットすると、爪の奥が伸びるときにまた食い込み始めるため、爪の角を残してスクエアカットすることをおすすめします。
陥入爪手術(根治術)
指の付け根に局所麻酔をし、食い込んで伸びる爪の両端部分が生えないように爪根部を切除し、フェノールという薬品で爪根部を焼却処理する方法です。2~3週間ほどのガーゼや絆創膏が必要です。
むくみ
原因
むくみは、新陳代謝が低下して、身体の組織が余分な水分を含んだ状態をいいます。老人の場合には、むくみが相当みられても、だるさを少し感じる程度で、自覚症状がないことが多いため、家族や介護する人が見逃さないことが重要です。
考えられる病気
高齢になると、腎臓での再吸収力の低下により組織外への水分がたまりやすくなります。また、心臓が弱り、血液を全身に押し出す力の低下が生じていると、長時間立っている場合や、体力を使ったときなどにむくみが生じてきます。腎臓病、肝硬変や栄養失調などで血液中の浸透圧を保つアルブミンというタンパク質が低下している(低タンパク血症)時も、むくみが生じてきます。末梢の血液循環に障害が生じる場合も、血液が組織中に出てむくみの状態になります。
次にむくみを起こす病気を具体的に述べます。
腎臓病の一種であるネフローゼ症候群は、前述のように、血液中のタンパク質が大量に尿中に出てしまうためアルブミンが少なくなり低タンパク血症を起こし、浸透圧が低下して下肢ばかりではなく顔面もむくんできます。
アミロイドというでんぷん物質が腎臓の組織に沈着して機能を低下させてくる病気をアミロイドーシスといいます。ネフローゼはステロイド剤によく反応しますが、アミロイドーシスは難治性です。腎炎でもむくみが起きます。腎臓内の血液のろ過器である糸球体の働きが低下して尿量が減少するためです。肝臓病(主に肝硬変)によるむくみは、肝臓機能が低下しアルブミンがつくられないため、血液の浸透圧が低下して生じます。
腹水の貯留など、全身にむくみが生じるのが特徴です。心臓病によるむくみは、下肢を循環している血液を潅流する心臓の力が衰えて静脈系にうっ血が起こり、静脈内の圧力が高くなって水分が血管外へ出るため足がむくんできます。これは、うっ血性心不全とよばれる病気です。このほかに甲状腺機能低下症のときにもむくみが生じます。体重が増加し、倦怠感や手足の冷え、皮膚の乾燥なども生じて表情もぼんやりとした状態を呈してきます。下肢を押してもへこみが残らないのが特徴です。
甲状腺ホルモンによる治療が必要となります。また、寝たきりの人や衰弱して長期間食事ができず栄養障害を起こしていると、血液中のタンパク質濃度が低下して、むくみが現れてきます。まれな病気ですが一側の下肢にむくみが生じたときは、血栓性静脈炎や象皮病が疑われます。
血栓性静脈炎は、感染症や、何度も注射を受けた静脈に血栓が生じて静脈を閉塞することによって生じます。変色が生じたり、チアノーゼ、疼痛が生じてきます。外科的治療に発展する場合がありますので、注意が必要です。象皮病は少ない病気ですが、蚊によって媒介された糸状虫という寄生虫によりリンパ管が閉塞して生じます。
対応と注意点
むくみを調べるには、足のすねの内側の部分を押さえてみることです。そこを押さえてぺこりとくぼむ場合をむくみといいます。あまりしっかりした靴下を履いていると、むくみがでるときがありますので注意しましょう。
基本的には安静と保温を心がけ、下肢を少し挙上できるように座布団などを布団に入れて寝るのもむくみの対策になります。足浴やマッサージ、足首や足先を動かす運動もおすすめです。寝たきりの人では、しばしば体位をかえるようにしてください。水分はとりすぎないように注意します。塩分をとることは、むくみの原因である細胞外液を増加させますので、特に控えるようにしましょう。
治療方法
むくみの原因である細胞外液を排泄するように利尿薬が使用されますが、医師の指示を受けて服用するようにしましょう。そのほか、アルブミンの補給、心拍出力の補強、抗生物質の投与など原因によった治療法がとられます。
こむら返り
治療方法
一般的に言う「足がつる」症状です。
ふくらはぎや足の裏の筋肉、ふとももの筋肉などが突然痙攣を起こし、痛みを伴うことをこむら返りといいます。健康な人では冷たいプールで水泳などの運動をしている最中に起こしやすいですが、老人では少しの運動をしたあとや、夜間睡眠中にもよく生じ苦痛を伴います。
考えられる病気
こむら返りは、
(1)高ナトリウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症などの電解質代謝異常
(2)不安定狭心症、難治性うっ血性心不全
(3)肝機能障害
(4)アルコール依存症
(5)多発性ニューロパチーのビタミンB1欠乏状態、恪胃摘出者の場合に生じますが、多くは原因不明です。
対応と注意点
現在、電気生理学的にはこの現象を明確にとらえることは困難ですので、患者様の主訴を中心に診断し、治療するという場合が多くあります。こむら返りは、病院を訪れるときにはすでに消失していますから、その症状を詳しく述べることが診断の助けになります。予防は筋肉を冷やさないように、また過度に使用しないようにします。
老人の場合は、散歩のあとやゲートボールの試合のあとなどに生じる場合が多いようです。寝るまえに少しマッサージやストレッチをするのもよいでしょう。起きてしまったら、筋肉を伸展させるようにします。糖尿病の人に筋肉が“ツル”という症状がよくでます。これも一種のこむら返りです。糖代謝の改善をはかることや筋弛緩薬などがおすすめです。低カルシウム状態や低マグネシウム血症でも生じますので、カルシウムを含有する小魚類、マグネシウムの多く含まれている海藻類、玄米を食べるようにすることがすすめられます。
また、利尿薬の過剰使用により誘発される場合もありますので、使用薬物に注意します。まれですが脊髄疾患により生じることもありますので、頑固なこむら返りでは一度MR(核磁気共鳴画像)で検査しておくことをすすめます。
アルコール中毒者や、胃摘出後に数年たって現れる例もありますので、ビタミンの欠乏にならないようにしておくことも必要です。特に最近ビタミンB1不足によって生じる場合が増加しているので、下肢にむくみが生じていないか確かめておくことも必要です。
治療方法
抗痙攣薬、筋弛緩薬、精神安定薬、マグネシウム剤が用いられます。夜間の頑固なこむら返りには、硫酸キニーネを就寝時に投与すると改善が期待できます。また、ビタミンEを摂取する方法もあります。硫酸キニーネの場合は、肝障害の発生に十分気をつける必要があります。